2020年9月13日(日)、単独行の日帰りで田代山(1,971m)と帝釈山(2,060m)を歩いてきました。以前から帝釈山山頂の湿原はお花畑がすごい!と聞いていたのでいつか行きたいと思っていた山です。9月中旬だと草紅葉が始まって、山頂の湿原は金色の野といった趣でした。なお2020年現在、車を置いて最短距離で往復できる登山口は猿倉のみです。栃木県側からのアプローチは林道が通行止めのため不可、帝釈山最寄りの登山口である馬返峠も車両通行止めです。
今回の山行ルート
歩行距離:10.4km
累積標高:970m(登り)、954m(下り)
歩行時間:4時間2分
休憩時間:1時間15分
グレード:
コース定数:20
田代山の空撮映像
南会津町が作成した田代山の空撮映像を発見した(撮影年不詳)。台形の山の上にある珍しい湿原の様子がよく分かるので、行く前にこの動画でおさらいしておきましょう。
水の溜まる湿原が山頂近くにあるのはなかなか珍しい事で、ひっくり返したプリンの様な田代山に似た山は他にあるのかどうか、、、思いつかない。燧ヶ岳、月山、苗場山など、山頂近くに湿原(田代)のある山はありますが、山の形がプリン状の台形ではないですね。
西那須野塩原I.C.~猿倉登山口
東北道の西那須野塩原I.C.を下りて、塩原温泉を通過。福島県に入って、グルっと北側から回り込んでたどり着くのが今回利用した猿倉登山口です。
インターから登山口まで距離は81km。前夜に出発して、道の駅たじまで車中泊しました。ちなみにgoogle mapで田代山猿倉登山口までの経路を関東方面から検索すると、栃木県側からの近道を表示されてしまいますが、栃木県側の林道は2019年の台風の影響で通行止めになっていますので注意(2020年現在)。
舘岩郵便局前で左折し、登山口に向かいますが、奥の方のラスト10kmはデコボコに荒れた林道を走るので結構神経使います。尖った石を踏みたくないのでスピードは出せないですね。車高が低い車は底を擦らないように注意。私の車高高めの4WDだと問題無しでした。ちなみにさいたま市舘岩少年自然の家はもう一本西側にある谷間の集落にあります。そこの木賊(とくさ)温泉には名物の岩風呂があるので帰りに寄ってみるといいかも。湯の花温泉と木賊温泉の集落はトンネルで繋がっています。
猿倉登山口~田代山山頂
[6:30]ボコボコに荒れた林道を通過するのに思ったより時間がかかって、6時半にようやく登山口駐車場に到着。田代山の猿倉登山口は北と南の2箇所あり、どちらからでも入山は可能。それぞれに駐車場があり、トイレはこの北登山口にある。南登山口から登ると標高30mほどお得です(笑)。
南登山口に車を止めた。すでに4台ほど駐車中。アプローチの林道がめんどくさいのであまり混雑しないと思われる。
栃木県側は土砂崩れなどで2019年7月から通行止めのままです。検索してみるとマウンテンバイクやスーパーカブ(笑)で走破した記録は見つけましたが、車で栃木県側からここまで来るのは不可能です。たぶんそのうち林道の復旧工事が終わるはずなので気長に待ちましょ~。
[6:55]準備を整えて田代山猿倉登山口を出発。
この案内地図の横に登山届ポストがあります。で、何故か左下が北になっている地図。どうしてこうなった??南北に長い山を横長の地図に表記したいなら左右どちらかが北になってもおかしくないけど、田代山~帝釈山は東西に連なる稜線上にあるので、わざわざひっくり返す理由がさっぱり分からない。
沢を渡るとちょっとした広場がある。
登山口から10分くらい歩くと水場。下の沢の方にある。
少し登ると休憩に良さそうな場所。
階段も幅がちょうど良くて登りやすい。
50分ほど登ると視界が開けて台形をした田代山が上に見えた。
[8:00]傾斜がゆるくなったと思ったらそこが小田代。さらにあと一踏ん張りすると田代山の台形状山頂へ。
南の方には日光連山がよく見えた。左から、どーんと大きな女峰山、小真名、大真名、男体山と重なった太郎山がよく見える。実はこの日は2つの低気圧が日本海と太平洋上を移動中。前線が昼過ぎにちょうどここを通過するので、それまでにこの樹林帯へ戻ってこなければならない。この写真の日光連山の右側、つまり南西から乱層雲が近づいてくるはず。こういうときは怪我をしないように気をつけねばねば。
[8:20]田代山山頂湿原に到着。空撮映像だと面白い形をした山だと分かるのに、実際にそこに立ってみると普通の尾瀬っぽい湿原ですね。
[8:25]早速分岐点が現れた。空が広くて非常に開放的。
田代山山頂の木道はループ状になっていて、反時計回りに歩くよう指示があります。
天国みたいなところだ。向こうに見える山は会津駒ヶ岳(2,133m)。右手の沼が弘法沼。弘法沼の右側の茂みの奥80~100mに三角点があるはず。左手には次の分岐点の道標が見える。
[8:30]田代山山頂と表記のあるここは木賊温泉へ下るルートへの分岐点。4時間半かけて下ると木賊温泉に着く。「登山道コース」の矢印が右を指していますが、帝釈山や避難小屋は左です。田代山の山頂を便宜上ここにしているようですね。
青空と爽やかな風が吹き渡る高層湿原の草原。ここで昼寝したいけどそんなベンチは無いし、昼には下山を開始せねば。
木道の先の少し高くなっている樹林帯の中に避難小屋がある。
[8:40]避難小屋の手前の分岐。下山時はこの「一方通行」側へ行く。
田代山避難小屋(弘法小屋)
すぐに避難小屋に到着。高床式だ!掘り出し用のスコップが軒下に設置されているから積雪が半端ないんでしょう。
新しくて非常に清潔なトイレの中。スリッパに注目~!
フィットネスジムのトイレで見かける巨大スリッパがあり、登山靴を履いたままその上にスリッパを履いてトイレを使ってほしいそうです。ジムでも運動靴を履いたままトイレに入れるように、トイレ用の巨大スリッパが用意されてますね。それと同じシステムです。
ロープの向こうの小屋はおそらく古いトイレ。
トイレの裏にはベンチがあった。尾瀬ヶ原以上に整備されている。
こちらは避難小屋の内部。こちらも整理整頓されていて、ゴミも落ちていない。弘法大師の座像が祀られており、これなら一人で泊っても怖くないな(笑)。
早めに下山したいので、昼食は取らずにこのまま帝釈山へ向かいます。
田代山から帝釈山ピストン
田代山~帝釈山間のぬかるみは徹底的に対策されている感。
整備状態は非常に良好。
田代山と帝釈山の中間あたり。
梯子は無くてもいいような気が…。
突然ガスった。
[9:55]田代山から1時間ほどで帝釈山に到着。雲が一気に増えてきました。
山頂の新品の標柱の近くに転がっていた古い標柱。
帝釈山山頂からの見晴らし。
帝釈山北側の谷筋は木賊温泉へ繋がる。
西に見える燧ヶ岳。
向こうの方(南西)からゴロゴロ聞こえてきた。
雷おっかないのでさっさと戻る。
西側から見た田代山。向こうの一番高くなっている辺りに避難小屋がある。
[11:00]1時間ほどで避難小屋へ戻ってきた。トイレの裏のベンチで小休止。
田代山登山口へ下山
田代山山頂湿原の木道は反時計回りの一方通行。
午前中の美しい湿原の様子が一変し、ガスって湿度が上がり、雷雲が近づいてきた。
ここは苔がいい感じ。
一本道の木道なので、混雑時は追い越しや休憩ができなくて大変かも。
行き止まりの木道があるが、理由は不明。
木賊温泉分岐で「登山道コース」の矢印がおかしかった以外は、田代山・帝釈山の道標はしっかりしております。さすが尾瀬国立公園内。
田代山山頂湿原の木道最初の分岐点に戻ってきた。ぬおー、近くで雷がゴロゴロ言い出した。
[11:30]小田代通過。この下の樹林帯にちょうど入ったところで雨が降り始めた。レインウェアを着るのが面倒なのと風が無い樹林帯なので、山用の超軽量傘をさして下る。
田代山避難小屋から1時間ちょいで下りてきた。
[12:10]土砂降りと雷鳴の中、猿倉登山口(南)駐車場に無事帰還。
凸凹林道を走り抜けて舗装路に出たところ。ほっと一安心。
横川のさとの蕎麦



福島から121号線で栃木県側に入り、男鹿高原駅入口の手前左側にある蕎麦屋「横川のさと」へ寄り道。今回で4回目の訪問。
テーブルにつくと最初に出てくるお通しだけでご飯食べられますね。
山菜天ぷらは1人で食べるには多すぎた。
名物乳茸(ちたけ)蕎麦。つけ麺の様にして食す。
ちたけの独特な食感がいいね。
蕎麦は打ちたてで切りたて。通りがかったら寄ってみてください。
今回の山行をReliveで振り返る
Relive ‘2020/09/13 田代山・帝釈山’